カゴが好きなので昔から竹でカゴを編んでみたいとは思っていたけれど、都会で目にする竹細工というと、立派な花籠や凝った形のランプシェードなどの芸術作品が多くて、竹は高嶺の花と感じていた。 ところが、ラウハラ編みをはじめたことや、数年前から九州に行くようになって、ちょっと値段ははるけれど普段使いのものがあるのを目にする機会が増えたせいもあり、生活の中で使う為に編まれてきた民具の竹細工に、とても興味が湧いてきた。
竹細工
さすが九州、いたるところに竹林がある。 ハワイのハラの木どころじゃない。 こんなに竹が沢山あって竹細工があるのだから、もっともっと生活の中に竹を使うようになったらいいと思うが、その手間のかかる技術を習得するには何年も要する。 日本人の器用さと勤勉さがあってこそ習得できることであると、つくづく感じてしまう。
今回訪れたのは大分県別府、日本でも最も竹細工の盛んなところと聞く。 運良く、竹の職業訓練校に通っていたという女性を紹介していただいて、その訓練校と別府市竹細工伝統伝統産業会館を案内してもらった。
訓練校では15名ほどが、それぞれのスペースで課題に取り組んでいる。 編む前にヒゴを取る作業。 竹筒を半分、半分と細くなるように割って、さらに厚みを削って、細く薄い竹ヒゴを取る。 それを一日中続けることもあるという。 これだけでも気が遠くなりそうな手間のかかる作業なのは容易にわかる。
竹細工のなかでもとても特徴のある輪弧編み。 難しそうだけど、一度これで何かを作ってみたい。
輪弧編みのかごの底。 補強を施すところなど、民具として伝わってきた技術なのだろうな。
日本にはこうした素晴しい伝統の技術があっても、それで生活していくことができなければ技術者は容易に育ってはいかない。 竹細工の世界には、それがゆえに、芸術作品を作る方向へ行かざるをえないということもあるのだそうだ。
別府はこの竹の職業訓練校のような市のサポートのある素晴しいところだと思う。 私もここへ引っ越してきて竹細工を習いたくなってしまった。
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