フラやロミロミのような、すでによく知られたハワイの文化を習うことと比べると、ラウハラ編みは、自分でコツコツと手仕事を続けていくずっと地味な作業の世界だから、身近に知っている人でもいないと、なかなかとっかかりがなくて、どうやって始めればいいかもわからないのだけれど、最近周りで、やってみたい、習いたいと言う人の輪が少しづつ広がってきている。
せっかく習うなら、幅広く吸収して欲しいと思うから、ヒロ近辺でラウハラの伝統文化を広める活動に力をいれている非営利団体、Aha Puhala O Punaの会合に誘っている。
けれど、月一回のクラブ活動(懐かしい言葉!)では私自身物足りないので、やりたい!という人がいれば、週末に機会を作ってワイワイとランチも楽しみながら、一緒に編んでいる。
まだまだ “教える” なんていう立場じゃないけれど、一度は失われかけたこの文化を伝える事に役立つのであれば、ハワイから受けた多くの恵みにお返しができるいい機会になり得ると思う。
クラブでは、前からいる人はクムでなくても、メンターとして、新メンバーのよき指導者になることを奨励されているし、多分日本人は日本語で習う方が楽だろう、ってこともあるから、機会があれば、葉っぱの処理の仕方や、基本中の基本、ブレスレットの編み方を教えることにしている。
その “教える” ってことに関して、私の思うことを書いてみようと思う。
文字を持たなかったハワイアンは、ものごとを習う時は、まずは “見て覚える” のが普通で、ラウハラに限らず、教科書というものはない。
必ず “watch” = “見なさい” と言われる。 で、次に “やってみて” とくる。
実は私はこれが苦手で、フラにしてもラウハラにしても、目で見たものを即・記憶に刻むことがなかなか出来ない。
幸いラウハラは机に座っての手作業だから、「もう一度お願いします」と頼めるけど、フラは気が付いたら踊りから置いてきぼりになっている(苦笑)
教科書があればなぁ。。
教科書を見て(読んで)→頭で考え→理解して→やってみる、というならわかりやすいのだけど、 “頭で考えて、理解する” ところを飛ばして、 “見て、やってみる” には、シナプスが一瞬にして視覚と動作をつないでくれるよう訓練をするしかない、と思ってしまう。
より原始に近い人間の能力のすごいところだ、とつくづく羨ましく思うのだけど、教科書で育ってしまった私は、じゃあ自分で教科書を書けばいいじゃん、ということなるが、それもまた得意とするところではないので、私は、“言葉と実技をまじえて、理にかなった説明” を心がけて教えたいと思っている。
ある時、ラウハラ編みのバッグの作り方を習っていた。
その先生はアーティストだった。
私は、「マカ・オエノ(網代編み)を編んでいて、段数を数えるのはどうしたらいいのですか?」と質問をした。
先生は、「私は段数なんて数えないわ」 と答えた。
えー、だって、バッグのデザインを考えていると、ここはこの柄で何段、次はこの柄で何段、最後は最初と同じになるように何段、って、私なら数えるけどなぁ。。。 編み物と同じように。。。
アーティストは、感覚で表現すればいいのよ、ということなんだろうけど、それにしても、そんな答えでは生徒が困ってしまうよなぁ。。。。
逆に、数えることが癖になるまで、 “数えなさい” “数えるのよ” と繰り返す先生もいる。
これまた細かく編んだ目数を数えるのも大変で、どっちも私は得意ではないと思う。
では私は。。。と言うと、
自分が覚えるにあたって、“こうだから、こうなる” というロジックをつかみたい。
そして、最低限、それをもとに、教えたいのだ。
教科書はないけれど、道理がわかるように教えたい、
それを修得するには、自分がわかるまで、繰り返し、繰り返し、やってみること。
そうしてマスターした人たちの言葉には、そのロジックが先を見据えた知恵となって、いっぱい詰まっているものだ。
ただ編んでみせることと、教えることは別ものだと思うから、今のところはまだ、ひとつの物を完成までロジカルに教えてあげられるものしか、教えるつもりはない。
途中までやって、あとはこんな感じ、では、納得できないから。。
だから今のところはブレスレットだけかな。。
でもそろそろ次の段階へと、指先に集中する日々。
今朝もトイレに座って編んでいる私を発見。
もっともっと編めるようになりたい。
先生と呼ばれるようになりたいとは思わないけど、いつか、Crazy Finger と呼ばれるくらいになりたいなぁ
奄美大島で。。。
2 件のコメント:
ブレスレットを作ったときには
とても楽しかったのですが、
1から10・・ではなくて
乾燥した葉を買ってきたので
カットするところからとなると
3から10くらいでしょうか。
自分で取り組んでみると、
編むこととは違う別の難しさがわかりました。
だからと言って素材もないので
日本にいるとそれ以上できません。
ハワイの環境がうらやましいです。
TAMAさん
葉を採ってクカアを作るまでの作業を自分でするようになると、ラウハラがグッと身近な存在になるってことはあるような気がします。
葉っぱが愛おしくなってくるっていうか(笑)
今年は是非一緒にその作業をしましょう。
クカアを作って持って帰ってください。
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