ハワイの伝統クラフト ラウハラ編みについて・・・

ここは私の日常を気の向くまま綴っているブログですが、

ラウハラ編みの記事が多いために、

ラウハラ編みに関する質問や、体験指導の依頼を頂くことがあります。 


ハワイと違って日本では、

ラウハラ編みに関する情報も、体験したり習ったりする機会も

ほとんど皆無であることを理解していますので、


ラウハラ編みに興味を持たれた方や、ご質問のある方には、

できるだけお答えしたいと思いますので、メールをお寄せ下さい。 

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5/22/2008

ラウハラを編みたくなった

ラウハラを編んでみたい、と思ったことは以前からあったのだけれど・・・ 

ある時 小笠原へ旅行に行った友人から、ハワイのラウハラ同様、タコの葉を編んで作る工芸があるけれど、あれを作るのは貝殻を使って葉っぱをなめすんだよ、と聞いたことがあって、 貝殻? というのがなんとも・・・ ビーチに座って葉っぱをゴシゴシとやるの? なんだか大変そう というイメージが頭にこびりついてしまった。

それで私はコレクターとしてハワイのラウハラを見続けてきた、と言いたいところだけれど、本当にいい物を見つけるのは簡単ではない。 まず、選べるほどの品揃えをしている店がほとんどない。

もしハワイでラウハラで編んだバッグやバスケットが沢山並んでいる店があったら、それは 残念だけれど Made in Hawaii である可能性は非常に低い。 それらとて、デザイン面と、似たものが大量に存在することさえ気にしなければ、完成度はハワイで作られたものと変わらないので、知らないで使っている人が多いのも現状だと思う。 

そういう中から、デザイン的にも気に入るものを見つけるために、ハワイアン系の催しに出店するクラフターたちの作品をこまめにチェックしていたので、ハワイで作られたものと、そうでないものとの見分けはつくようになってきた。 そうしてみると、少し前まで Made in Hawaii のものも、完成度が高いものほど、デザイン的なレベルで似通っていて、一点一点のもつ個性はそれほど重要視されていなかったように思う。

ハワイ文化は、60年代の復興期を向える以前は、西洋文化のパワーに押されて衰退しかけていて、例えばフラも、カヒコ(古代フラ)の踊り手はほとんどいなくなってしまっていたように、ラウハラの技術も、すでに失われてしまったものもあると言われている。 そこから30年ほどの道のりを経て、ラウハラ編みのマスター達が “ハワイの生きる宝” と称されるようになるまでに、ハワイに伝わる文化のひとつとして広く認められるようになった。 編み手による個性的なデザインが作品に現されるようになってきたのは、比較的最近のことなのではないかと思う。 完成度の高いものを作るには、まず熟練を要する、その道のりが必要だったのだろう。


昨年の秋に、これは、と思う作品と出会った。 

このポシェット型のバッグは 革のストラップがついていたり、オリジナルの木の釦がついていたり、今の感覚で持てるようにデザインされている。 それだけでもラウハラ編みとしては新しい感覚のこのバッグを見て、私はそれよりも この色の使い方に驚いてしまった。

クオリティーの高いラウハラ編みの作品は、まず最初にラウの色がそろっているのが美しい、とする見方があって、その上で少しシェードの違うもので陰影をつけたり、白いラウと濃い色のラウを組み合わせたり、という技法は知っていたけれど、こんなにも多色のラウを使って、デザインを編み出しているものを見たのはこれが始めてだった。 もちろん色のそろっていないラウを編めば、これに近い感じになる、というのはわかる、けれどこれはそういうことではなく、色の差を考えて、選んで、編まれている。

このバッグを見つけたのは、あるフラのフェスティバル会場内のマーケットだった。 販売ブースのそばに座って、バッグの作者は帽子を編みながら話していた。 このバッグの中でも使われているような、色の濃いラウハラの木のことを話していた。 このように色の濃い葉の採れる木は珍しく、葉っぱを採取している人たちの間でもどこにあるのかは内緒にされているらしい。 なんでも、“その木に案内してもらうのに、目隠しをされた”、とか、“どこそこの道をこう行ったところにある、あの木が・・・” というふうに、特定の木のことを話していた。 

私もラウハラ編みを始めてみてわかったのだけど、葉っぱの色や良し悪しは、木によって決まるということ。 同じパンダナスでも、種類は多種あるから、それによっても違いがあるし、育っている環境や、木そのものの健康状態、天候などなど、左右する要素はいろいろあるわけだ。 しかもハワイ島にはハラの木はいくらだってある。 そんな中の一本からある日採った葉っぱ、その葉っぱの色といい艶といい、ホレボレとするようなものに出会ってしまったら。。。。 この木の葉を使って編みたい!という強いモーティベーションにかられてしまうのだろうなぁ。。。

そんなことを考えていたら、私はやっぱり編んでみたくなってしまったのだ。

そして・・・
このバッグを編んだ素晴しいラウハラ・ウィーバーは、自身でもこのポシェットを肩からかけ、自分で編んだ帽子をかぶり、片手には編みかけのラウと道具の入ったルイ・ヴィトンのトートバッグを下げていた。
横にいた友人と私は、あのヴィトンと彼女の編むバッグと、どっちが価値があるかね~~ 比べられないね~と話していた。


5/17/2008

今日もラウハラ採集

先週採ったラウ(葉っぱ)はあまり良くなかった。
裏側にカビが出ている葉を使って作ると、いつかそのカビが周囲にも広がってしまうから、「私はたとえ採ってきても捨てちゃうわよ」と、編み方を教えてくれているミッシェルが言う。
柔らかくてきれいなラウで作れば一生もの、ミッシェルは自分の店で何人かのラウハラ・アーティストの作った物を売っているので、選ぶ目は厳しい。

今日はアハラヌイ・パークでラウハラを採った。


このあたりにはハラの木は沢山あるけれど、公園の中のものは採りに来る人が多いので、比較的葉が新しい。 葉の状態は悪くないけれど、ここ2~3日雨が降らず、今日も朝から晴れて乾燥しているので、葉も乾燥気味。
               

根元と葉先を切り落とし、葉の横の棘を取ってから汚れを落とす。
葉が丸まったところを開くとき、パリンと割れてしまわないように、内側に濡れタオルをあてがってゆっくりと広げいく。 やはりかなり乾燥していて、葉先の薄いところがパリパリと割れてくるので、先のほうだけしばらく水につけてから伸していく。 さらに竹筒でつくったローラーに巻き取って葉を平らにする。
 


巻き取って輪っかになった葉を、外側から内側へと重ねてクカア(束)を作る。
これで20枚ぐらいかな。 この状態になって売られているものは、40~60枚ぐらい重なっている。
ラウハラのカンファレンスの余興で、クカアがどれだけ頑丈にできているか、円盤投げをしたり坂を転がしたりして競って遊ぶらしい。    



たかだか20枚ぐらいの葉っぱだけれど、選びながら採って、汚れを落として下処理を済ませるのは時間がかかる。 けれど、この段階が自分の作るものに反映すると思うと、今のところは自分で納得がいくようにやりたい。
こうして作ったクカアに、いつどこで採ったラウで作ったのかを書いておく。 この状態で最低2週間ぐらい乾かす。 その間にカビが生えないように、暖かくて乾燥したところに置いておくのがいいそうだ。
私は自分の車の中に入れておく。

クカアはラウハラの基本的な保存方法で、保存状態さえよければ、このままで何年ももつそうだ。

5/15/2008

今日はフラの練習日

フラを始めて5ヶ月、まだ全然身体が覚えてくれない。。。
Pua Ahihi, Kipukai, He Aloha No O Honolulu そして今習っているのがKa Manu という曲。
一緒に習っている同僚、三人ともフラ暦は長い、「練習した方がいいよ」と言われるけど、覚えていないものどうやって練習するの? やっと最近になって、どこがわからない、というのがわかるようになってきたけれど、最初はわからないのがどこなのかもわからなかった。。。

とは言え、伝統のあるハラウは、フラこそ文字を持たないハワイアンが動きを持ってすべてを伝えてきた伝達手段、「観て(観察して)覚えなさい!」というところにこそ、クムの本意があるのだろうと思う。
手取り足取りで教えてください、というわけにはいかない。
ハワイに住んで、いろいろとプリミティブな表現を維持し続けているハワイアンの足が地についた価値感に、自分の価値観を見直すきっかけをもらってきた。 
文字を読んで覚える ということに頼りすぎてきた現代人の、「まず観て、次にそれと同じように身体を動かす」ための観察力が退化しているのでは? と思わざるをえない私。

最初のステップの練習が終わったところでクムが言った。「姪っ子が言ってたんだけど、ホイケ(発表会)をやるべきだって」 
姪っ子ぉ? ひょっとして私がラウハラ編みに入れ込んでてフラの練習をしてないのを知ってる 姪っ子のI が? いや違うな、直姪のK ? (ごめんなさい、皆フラの大先輩だけど、若い頃から良く知ってる存在なのでつい、我ながら超>非謙虚なこの反応)
それというのも、踊りを覚えられない自分に腹が立つ。 今に見てろ===!!! 
人と競うつもりは全くなく、自分自身に挑戦したい気持ちがムクムクと。。。
なんとかしなくちゃ・・・の心境の今日の練習だった。

5/14/2008

ラウハラを採りに



ハラの葉を採るのは、朝露で葉が柔らかくなっている、早朝がいい。
ハワイ島の海岸近くなら、ハラの木は容易にみつかる。
今朝はヒロのレレイビ・ビーチパーク近くのハラの木を見に行くことにした。

このあたりでは、すでに木の枝で枯れた葉を採るのが普通とされている。
それでも何でもいいというわけではなく、枯れたまま長い間枝にくっついていたものではなくて、新しく枯れた、というか、緑の葉が茶色に変わって間近いものが、柔らかくて良いそうだ。

始めのうちは何でもいいのかと思って適当に採っていたけれど、古くなった葉は硬く、丸まっているのを広げるにも力がいるし、葉はひび割れしやすいし、編む前の下処理に余計に時間を費やしてしまう。
葉の選別の仕方を教えてもらってからは、扱いが楽になった。
何しろ“枯れ葉”なので、採ったあとで葉の状態がよくなくて捨てることになっても、あまり気にすることは無い。
むしろ、枯れた葉の中から状態のいい物がみつかると、とても得した気になる。

写真のように、ハラの木を下から見上げると枯れ葉が沢山垂れ下がっているので、棒の先にフックをつけたもの(金のハンガーを曲げて作った)で引っ掛けて、葉を落とすのだけれど、幹との境のところは葉が何枚も重なっていて、その間に何が巣食っているかわからないので、絶対に口を開けていたりしないように! 
よくいるのが、黒いハサミムシ、それにゲッコー(やもり)の卵、そして鳥の糞。 

採っておいて捨てていくのもなんだけれど、状態の悪いものはオパラ(ゴミ)として、他の落ち葉と一緒にまとめておくことにしている。

5/13/2008

気ままなラウハラ編みの記録

気ままに書いてみたかったことのひとつが、ラウハラ編みのこと

ラウハラとは、ハワイ語でパンダナス(ハラ)の葉(ラウ)という意味。総じてパンダナスの葉を使ったハワイの伝統手工芸のこと。
パンダナスの葉を素材にして編んだ、帽子やバッグ、アクセサリー、マットなどがある。
以前は気に入ったのを買い集めていたけど、最近は編むことにはまっている。

そして、作ることにまつわる出来事や、作ったもの、調べてみたこと、これまた気ままに書き残してみるのもいいかもしれない、と思い始めている。

5/09/2008

気ままに・・・気ままに。。。

以前から書いていたブログがひとつあって、そこではハワイ島キラウエアのハイキング・ガイドとして キラウエアやヒロでの出来事を紹介がてら 気ままに書いている。 
時にはもっと気ままに書いてみたくなることもあって、このブログを始めることにした。